歯の質はどのように決まるのか

今回は歯の質はどんな風に決まるのか
お話ししたいと思います。

▶︎歯はどのようにできるのでしょう?
歯はお母さんのおなかにいるころにつくられはじめます。妊娠2ヶ月あたりからできてきます。
このころから将来の上顎・下顎・舌になる部分が
形成されはじめます。
そして将来の下顎になるところの一部分の粘膜が分厚くなりはじめます。さらに分厚くなって妊娠3〜4ヶ月頃には、なんとなく歯のように見える形態(歯胚)になります。
歯胚の時期になんらかの異常な状況が生じると、2つの歯が1つにひっついた「癒合歯」や、正常な歯に比べるとサイズの小さな「矮小歯」などになってしまいます。
エナメル質をつくる「エナメル芽細胞」や象牙質をつくる「象牙芽細胞」が現れ、エナメル質や象牙質をつくっていきます。

▶︎質の悪い歯はどのようにしてできてしまうのか?
先ほど、妊娠3〜4ヶ月頃にエナメル芽細胞と象牙芽細胞が現れると言いましたが、これらの細胞は母親から供給されるカルシウム(Ca)やリン(P)を使ってエナメル質や象牙質をつくります。
もしこれらの細胞に異常が起きて機能不全に陥ると正常な歯質をつくることができなくなります。
その結果「エナメル質成形不全症」や「象牙質成形不全症」になってしまいます。
またこの時期に母親がテトラサイクリンなどの抗菌薬を服用してしまうと歯を作る細胞がテトラサイクリンを歯の中に組み込んでしまいます。
その結果、色のついた変色歯となってしまいます。
乳歯と永久歯の異常が発生してしまうのは、同じで
違うのは、できはじめる時期が妊娠中か産後かだけです。
歯の異常をまとめると歯胚形成期に異常が生じると、矮小歯や癒合歯などができてしまい、また歯質形成期に異常が生じると、エナメル質成形不全症や象牙質形成不全症、そして斑状歯、変色歯ができてしまいます。

▶︎歯の質を決定する時期は?
乳歯は妊娠3〜4ヶ月ごろからエナメル質と象牙質ができはじめ石灰化していきます。
そして、乳幼児期に歯冠の形態が完成します。
永久歯は乳幼児からエナメル質と象牙質ができはじめ石灰化していき、歯種によって多少バラつきますが、小学校低学年くらいには歯冠の形態が完成します。
このように、妊娠初期から小学校低学年くらいまでが歯がつくられる時期となります。乳歯も大事ですが、永久歯の歯冠がつくられる乳幼児期から小学校低学年までは歯の質を決定するとても大事な時期といえます。もしこの時期にテトラサイクリンなどの服用があれば変色歯になるリスクが高くなります。ですが、裏を返せばこの時期に歯を形成するのに重要なカルシウムなどをきちんと摂取すれば、強い歯をつくることができます。

▶︎歯が萌出した後の歯の質は?
乳歯もそうですが萌出したばかりの歯は石灰化度が低く、むし歯になりやすいという問題点があります。
たとえば乳歯と幼若永久歯と成熟永久歯の歯の質を簡単に比較すると、乳歯のエナメル質の厚さは、永久歯の半分くらいしかありません。また乳歯と萌出したばかりの幼若永久歯は、エナメル質や象牙質の石灰化度が低く、歯の形態も咬耗などがなく小か裂溝がはっきりしておりむし歯になりやすいという弱点があります。したがってシーラントや石灰化度を上げるために定期的なフッ化物塗布などが有効となります。

乳歯だから抜けるしむし歯になってもいいやと思う方もいるかと思いますが、糖質の取りすぎや常にお口の中がプラークまみれだと永久歯にも影響してきますので、歯に良い物を摂取して、ブラッシングや糖質の取り方を工夫して一緒に強い歯をつくりましょう!

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